抗HIV治療ガイドライン(2024年3月発行)

XIIHIV/HBV共感染者での抗HIV療法

3.HIV感染がHBV肝炎に与える影響

 HIV感染は、HBV肝炎の病期に著しい影響を与えることが知られている。すなわちHIV/HBV共感染者では、前項に述べたようにB型慢性肝炎への移行率が高く、HBVは高ウイルス血症となりやすく、肝硬変、肝癌への進展率が高い10, 11)。HIV/HBV共感染者における肝臓関連疾患での死亡率は、HIV単独感染者の約8倍、HBV単独感染者の約19倍高いとの報告もある12)。こうした背景を踏まえ米国DHHSの抗HIV療法ガイドラインにおいても、HIV/HBV共感染者に対しては、HBV、HIV双方に効果のある2剤を含む抗HIV療法を選択すべきであると推奨している13-17)

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