抗HIV治療ガイドライン(2024年3月発行)

IX抗HIV薬の副作用

10.抗HIV薬と他剤の併用について

 AIDS合併疾患の治療を行っている状況で、抗HIV薬を開始する場合には、両者の相互作用とともに、副作用の重複についても注意が必要である。例えば、ガンシクロビルやST合剤をAZTと併用した場合の骨髄抑制、ホスカルネットやペンタミジン、アムホテリシンBなどにTDFを投与した場合の腎障害などは毒性の重複する代表的な組み合わせである。このような場合には、必要に応じて選択薬を変更、もしくは投与後に注意深い経過観察が必要とされる。

 また、rtvやcobiを含有する配合剤(LPV/rtv、DRV/cobi、DRV/cobi/TAF/FTC、EVG/cobi/TAF/FTC等)はCYP3A4の阻害作用により他剤の血中濃度を上昇させ副作用を惹起する可能性があり、併用禁忌や併用注意薬が多いため投与時に確認が必要である。

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