抗HIV治療ガイドライン(2023年3月発行)

XIIHIV/HBV共感染者での抗HIV療法

5.抗HBV薬の種類

 本邦で使用可能な抗HBV活性を有する核酸系抗ウイルス薬は表XII-1に示すようにラミブジン(LAM、3TC)、アデホビル(ADV)、エンテカビル(ETV)、エムトリシタビン(FTC)、テノホビル(TDF、TAF)であったが 18, 19)、ADVは2022年5月で販売中止となった18)。抗HIV薬としても使用されている薬剤は3TC、FTC、TDF、TAFで、ETVも抗HIV作用を有する13-15, 19)共感染者に対し不用意に単剤による治療を行うと、HIV、HBV双方が薬剤耐性を獲得するおそれがあるため、両疾患の治療開始適応を見極めながら慎重な薬剤選択が必要となる13-17)

表XII-1 HBV治療に有用な核酸系抗ウイルス薬
Drugs Wild-type
Hepatitis B Virus
YMDD Mutation HIV治療での使用
ラミブジン(LAM, 3TC) 有効 無効 あり
アデホビル(ADV) 有効 有効 なし
エンテカビル(ETV) 有効(0.5mg) 有効(1mg) なし
エムトリシタビン(FTC) 有効 無効 あり
テノホビル(TDF, TAF) 有効 有効 あり
Telbivudine 有効 無効 なし

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