抗HIV治療ガイドライン(2022年3月発行)

XIIIHIV/HCV共感染者での抗HIV療法

6.HCV感染症がHIV感染症の自然経過に及ぼす影響

 HCV感染がHIV感染症の進行を速めるとする報告が認められるのに対して44-47)、HCV感染はHIV感染症の進行に対して影響を与えないとする報告も同様に認められる48-51)。これらの報告は、それぞれの例数も少なく、また後ろ向き調査であることもあり、充分に信頼できるデータとなっていない。HCV感染症のHIV感染症に対する影響については、はっきり結論は出ていないといえるが、少なくとも大きな影響はなさそうである。

 HIV単独感染者とHIV/HCV共感染者とで合併症を比較した研究結果が報告された52)。HCVが感染することにより肝疾患によるイベント・死亡率が高まることは当然であるが、腎疾患によるイベントや骨粗鬆症の危険性も増す。またIFN療法によるHCV排除が不成功の場合、糖尿病の合併率が高くなる。また、AIDS指標疾患以外の悪性腫瘍や感染症の合併率53)、死亡率54)が高いという報告もある。さらにHCVの共感染は動脈硬化の増加55)、骨密度の減少56)とも関連がある。

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