抗HIV治療ガイドライン(2022年3月発行)

VII治療失敗時の薬剤変更

4.薬剤耐性症例に対するSalvage治療

 薬剤耐性症例に対する治療変更に際しては、感受性が保たれた抗HIV薬を少なくとも2剤、できれば3剤併用し、このうち1剤は耐性バリアの高い薬剤(ブーストしたダルナビル、もしくはドルテグラビル(ビクテグラビルも使用可能と推測される))とすることが望ましい。

 多剤併⽤抗HIV療法の臨床導⼊以前に単剤投与の治療歴がある症例や、度重なる治療失敗によって多剤耐性となった症例には、新規薬剤による治療が必要となる。既存の抗HIV薬に対し多剤耐性を獲得したHIVに対しては、新薬を取り⼊れたSalvage治療が唯⼀の治療法であるが、このようなSalvage治療においても複数の有効な薬剤を組み合わせることが肝要で、有効な薬剤を⼀剤だけ追加した治療を⾏ってしまうと、追加した薬剤に対する耐性の出現を招いて治療の選択肢を狭める結果となりかねないことに注意を要する。感受性を維持している抗HIV薬の選択肢がほとんどない多剤耐性症例においては、専⾨医療機関に相談することが望ましい。

PAGE TOP