XV小児、青少年期における抗HIV療法
5.治療薬の選択
治療開始にあたっては、抗HIV薬3剤の併用療法を行い、ウイルスの複製をできる限り抑え込むのが基本である。ウイルス量が成人よりも高い小児では、4剤併用のほうが3剤併用よりも効果が高い可能性を示唆する報告も以前は散見されたが11, 29)、いずれも症例数が少なく、臨床的な予後改善において現在の抗HIV薬による3剤併用が4剤併用より劣るというエビデンスはない。現在の初回治療の原則は、バックボーンのNRTI 2剤とINSTIのキードラッグの3剤による抗レトロウイルス療法(ART)を開始することを推奨している。状況によっては、2種類のNRTIに加え、キードラッグとしてNNRTIまたはブーストしたPIを加えたARTレジメンが初期治療(AI*)に適応されることもある。表XV-3に現在推奨される年齢別の治療薬の組み合わせ、表XV-4-1〜5に各治療薬の小児用量と留意点をまとめた。小児でのRCTは限られていることから、推奨処方の多くは、成人での臨床試験のデータと、小児でのphase I/II試験における安全性・薬物動態データに基づいて提唱されている。表XV-4-1〜5は米国での薬剤の認可に基づいて作成したが、小児用量は成人におけるほど確立しておらず、新しいデータが出るたびにしばしば変更が加わるので、いつも最新の情報を確認していただくことをお勧めする。新生児・乳児ではとりわけ血中濃度の個人差が大きくなるので、薬剤血中濃度のモニター(TDM)も考慮される。12歳以上で思春期後期(SMR IV-V)の薬剤選択は成人のガイドラインに準拠する。成人の比較試験ではINSTIを含むレジメンは、PIを含むレジメンやNNRTIを含むレジメンと比較して優れた有効性を示すことが示されており30, 31)、乳幼児、小児、青少年においてもこれらの薬剤のPK、安全性、忍容性、有効性を評価する研究報告が増加してきている。
表XV-3 推奨される初回レジメン
生直後から生後30日未満 | ||
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推奨 | レジメン | 年齢/体重 |
在胎37週以上で生後30日未満 および 在胎37週以上相当の早産児 |
NVP+AZT+3TC もしくは RAL+AZT+3TC |
制限なし ≧2kg(RAL) |
在胎32週以上37週未満 | NVP+AZT+3TC | 制限なし |
在胎32週未満 | 専門家に相談 | |
代替のNRTI | ABC+3TC *HLA-B*5701陰性の場合 |
在胎37週以上 |
生後30日以上2歳未満 | ||
推奨 | レジメン | 年齢/体重 |
DTG+AZT+3TC もしくは DTG+ABC+3TC *HLA-B*5701陰性の場合 |
≧3kg(DTG) | |
代替のキードラッグ | NVP | |
2歳以上12歳未満 | ||
推奨 | レジメン | 年齢/体重 |
錠剤が摂取困難な場合 | DTG+ABC+3TC *HLA-B*5701陰性の場合 |
≧3kg(DTG) |
錠剤の摂取が可能な場合 | BIC+FTC+TAF DTG+ABC+3TC *HLA-B*5701陰性の場合 DTG+FTC/TAF(Descovy) |
≧14kg<25kg BIC30㎎/FTC120㎎/TAF15㎎ ≧25kg BIC50㎎/FTC200㎎/TAF25㎎ ≧25kg(Triumeq) ≧25kg(Descovy) |
代替のキードラッグ | NVP DRV+rtv(boostedPI) DRV+cobi(DRV/c) |
≧20kg ≧40kg |
12歳以上 | ||
推奨 | レジメン | 年齢/体重 |
BIC+FTC+TAF DTG+ABC+3TC *HLA-B*5701陰性の場合 DTG+FTC/TAF(Descovy) |
≧25kg BIC50㎎/FTC200㎎/TAF25㎎ ≧25kg(Triumeq) ≧25kg(Descovy) |
表XV-4-1 小児の主な抗HIV治療薬(NRTI)(US-DHHS 2024より作成)
薬剤名 | ジドブジン(レトロビル) AZT, ZDV |
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国内で利用出来る小児用剤形 | 注射薬* シロップ* |
特記事項 | 在胎37週未満の母子感染ハイリスク**ではAZT+3TC+NVPまたはAZT+3TC+RALの投与が推奨される。 6週から18歳までの小児では体重換算の用量調節も可で、4-9kgでは12mg/kg 9-30kgでは9mg/kg 30kg以上は300mgを1日2回POとする。 条件が整えばABCあるいはTAFへ変更する。 |
小児への投与量 | 生後4~6週まで(母子感染のリスクが低い場合***は生後2週まで)。母子感染予防量として、それ以降は治療量として用いる。 静脈投与では経口量の75%を用いる。在胎週数別に以下の量を1日2回投与する。 いずれも服薬は生後6~12時間以内に開始する。 (在胎30週未満) 生後4週まで2mg/kg、以後生後8週まで3mg/kg、それ以後12mg/kg。 (在胎30週以後35週未満) 生後2週まで2mg/kg、以後生後6週まで3mg/kg、それ以後12mg/kg。 (在胎35週以後) 生後4週まで4mg/kg、それ以後12mg/kg。 小児(6週から18歳まで)180~240mg/m2 POを1日2回。 体重30kg以上の小児および思春期 300mgを1日2回。 |
薬剤名 | ラミブジン(エピビル) 3TC |
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国内で利用出来る小児用剤形 | 液剤* |
特記事項 | 抗HBV作用あり。 |
小児への投与量 | ハイリスク母子感染予防量、治療量ともに以下の量を1日2回投与する。 在胎週数32週以降の新生児期(生後4週まで) 2mg/kg 生後4週から3ヵ月まで 4mg/kg、 生後3ヵ月から3歳まで 5mg/kg(最大150mg)。 3歳以上は 5mg/kg(最大150mg)を1日2回か、 10mg/kg(最大300mg)を1日1回。 |
薬剤名 | アバカビル(ザイアジェン) ABC |
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国内で利用出来る小児用剤形 | 液剤* |
特記事項 | HLA-B*5701の検査をしてからの使用を米国では推奨。 生後3ヵ月未満の乳児への使用はFDAでは未承認。 |
小児への投与量 | 乳児(1ヵ月未満) 2mg/kgを1日2回 乳児(1ヵ月以上3ヵ月未満) 4mg/kgを1日2回 小児(3ヵ月以降) 8mg/kg(最大300mg)を1日2回、 または16mg/kg(最大600mg)を1日1回 *思春期(≧25kg)には300mgを1日2回または600mgを1日1回 |
薬剤名 | テノホビルアラフェナミドTAF +エムトリシタビンFTC (デジコビ) TAF/FTC(DVY) |
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国内で利用出来る小児用剤形 | |
特記事項 | 抗HBV作用あり。 しかし、重症の肝炎がある場合には推奨しない。 TAFはテノホビルのプロドラッグ。 腎機能と骨密度への影響が少ない。 |
小児への投与量 | Ccr <30mL/minでは使用を控える。 (DVY)体重14kg以上の児から思春期、成人まで 14kg以上25kg未満 TAF15mg/FTC120mgとして 1日1錠(NNRTIかINSTIと合わせて)*日本未発売 25kg以上35kg未満 TAF25mg/FTC200mgとして 1日1錠(NNRTIかINSTIと合わせて) 35kg以上 NNRTIかINSTIと合わせる場合、 TAF25mg/FTC200mgとして1日1錠 boosted PI(cobiかリトナビル併用)の場合、 TAF10mg/FTC200mgとして1日1錠 |
表XV-4-2 小児の主な抗HIV治療薬(NNRTI)
薬剤名 | ネビラピン(ビラミューン) NVP |
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国内で利用出来る小児用剤形 | シロップ* |
特記事項 | 2歳以上では、最初の2週間は半量、つまり1日1回で開始し、皮疹などの副作用がないことを確認後に1日2回のフルドーズに上げる。 |
小児への投与量 | ハイリスク母子感染予防または治療量として、
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薬剤名 | リルピビリン(エジュラント) RPV |
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国内で利用出来る小児用剤形 | |
特記事項 | |
小児への投与量 | HIV RNA量が100,000コピー/mL以下で12歳以上かつ体重35kg以上の思春期から成人まで RPV25mg/TAF25mg/FTC200mg(ODF)として1日1錠。 |
表XV-4-3 小児の主な抗HIV治療薬(PI)
薬剤名 | ダルナビル(プリジスタ) DRV |
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国内で利用出来る小児用剤形 | |
特記事項 | 米国には75mg錠と液剤あり。 3歳未満の小児には禁忌。 cobiとの合剤:プレジコビックス®(PCX)は小児未適応。 |
小児への投与量 | 小児(3歳以上かつ20kg以上、12歳未満)では、下記を1日2回食事とともに 20kg以上30kg未満 DRV 375mg + rtv 100mg 30kg以上40kg未満 DRV 450mg + rtv 100mg 40kg以上 DRV 600mg + rtv 100mg 思春期(12歳)以降では、薬剤耐性変異が無ければ、下記を1日1回食事とともに 40kg以上 DRV 800mg/cobi 150mg(PCX) 思春期以降で治療経験・薬剤耐性変異の有無に関わらず、下記を1日2回食事とともに 30kg以上40kg未満 DRV 450mg + rtv 100mg 思春期以降で治療経験と1つ以上の薬剤耐性変異が有る場合、下記を1日2回食事とともに 40kg以上 DRV 600mg + rtv 100mg |
表XV-4-4 小児の主な抗HIV治療薬(INSTI)
薬剤名 | ドルテグラビル(テビケイ) DTG |
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国内で利用出来る小児用剤形 | 内用懸濁錠*(5mg/T) |
特記事項 | 12歳以上かつ体重40kg以上でDTG/3TCの合剤ドウベイトの国内適応あり。 睡眠障害などの中枢神経症状の出現に注意。 |
小児への投与量 | 未治療あるいはインテグラーゼ阻害剤以外の抗HIV薬による治療経験があり、かつUGT1A1/CYP3A誘導薬剤を用いていない場合で、1日1回、食事に関係なく 生後4週以上で 体重3kgから6kg未満 5mg 体重6kgから10kg未満 15mg 体重10kgから14kg未満 20mg 体重14kgから20kg未満 25mg 体重20kg以上 30mg 小児および思春期で 体重20kg以上 50mg(錠剤) 錠剤は半分砕可(ただしすぐに内服すること) |
薬剤名 | ラルテグラビル(アイセントレス) RAL |
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国内で利用出来る小児用剤形 | 液剤* |
特記事項 | 米国では、チュアブル錠と液剤あり。 早産・低出生体重児を除く母子感染ハイリスク児に、NATで感染否定されるまでか生後6週までAZT/3TC/RALを投与する選択肢もあり。 |
小児への投与量 | 在胎37週以上かつ体重2kg以上の母子感染ハイリスクの予防あるいは治療として、 生後1週まで1.5mg/kgの液剤を1日1回、食事に関係なく 生後1ー4週まで3mg/kgの液剤を1日2回、食事に関係なく 生後4-6週まで6mg/kgの液剤を1日2回、食事に関係なく 生後4週以上、かつ体重3kg以上20kg未満のHIV感染児では 6mg/kgの液剤を1日2回、食事に関係なく 液剤以外の服用では、チュアブル錠があるが、国内では流通していない。 錠剤は以下の量で使用する。 体重25kg以上 400mgを1日2回 体重40kg以上 1200mg(600mg錠 2錠) 1日1回 |
薬剤名 | ビクテグラビル BIC |
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国内で利用出来る小児用剤形 | 錠剤* |
特記事項 | ビクタルビ®配合錠(BVY)として使われる。 |
小児への投与量 | 2歳以上かつ体重14kg以上25kg未満の児 BIC30mg/TAF15mg/FTC 120mgとして1日1錠。 体重25kg以上で、 BIC50mg/TAF25mg/FTC200mgとして1日1錠 (Ccr<30mL/minでは使用を控える) 錠剤の分割は可、粉砕は推奨されない(10分以内に全量のむ) |
治療開始に当たってはアドヒアランスと耐性の関係を患者と保護者にしっかり説明しておかねばならない。また、小児から思春期にかけては、精神的な成長とともにアドヒアランスが急に変動しやすいことも指摘されており、成人以上にアドヒアランスの維持には配慮が必要となる32)。
低年齢では薬剤の味(リトナビル含有シロップで問題となりやすい)と剤形(パウダー、シロップ、錠剤など)が忍容性に大きく影響する。また最近では、年齢や体重により小児においても1日1回1錠の製剤(STR)が使用可能になってきている。小児で使用可能なSTRを表XV-4-5に示す。第一選択薬に推奨されている場合でも流通、剤形の問題で我が国では選択できない場合があり、考慮が必要である。
表XV-4-5 小児の主な抗HIV治療薬(STR)
薬剤名(商品名/略名/一般名) | ゲンボイヤ(GEN) エルビテグラビル +コビシスタット +テノホビルアラフェナミド +エムトリシタビン |
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特記事項 | 国内では体重25kg以上で適応承認あり。 海外では、14kg以上25kg未満で低用量錠剤でのデータあり。 |
小児への投与量 | 体重25kg以上の児から思春期、成人まで EVG150mg/cobi150mg/TAF10mg/FTC200mg として1日1錠。 (Ccr<30mL/minでは使用を控える) |
薬剤名(商品名/略名/一般名) | オデフシィ(ODF) リルピビリン +テノホビルアラフェナミド +エムトリシタビン |
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特記事項 | 国内では、12歳以上かつ体重35kg以上で適応承認あり。 |
小児への投与量 | 12歳以上かつ体重35kg以上の児から思春期、成人まで RPV25mg/TAF25mg/FTC200mgとして1日1錠。 |
薬剤名(商品名/略名/一般名) | ビクタルビ(BVY) ビクテグラビル +テノホビルアラフェナミド +エムトリシタビン |
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特記事項 | 国内では小児に適応承認なし。 |
小児への投与量 | 2歳以上かつ体重14kg以上25kg未満の児 BIC30mg/TAF15mg/FTC120mg*として1日1錠。 体重25kg以上の児から思春期、成人まで BIC50mg/TAF25mg/FTC200mgとして1日1錠。 (Ccr<30mL/minでは使用を控える) |
薬剤名(商品名/略名/一般名) | シムツーザ(SMT) ダルナビル+コビシスタット +テノホビルアラフェナミド +エムトリシタビン |
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特記事項 | 国内では12歳以上かつ体重40kg以上で適応承認あり。 |
小児への投与量 | 体重40kg以上で、 DRV800mg/cobi150mg/TAF10mg/FTC200mgとして1日1錠。 (Ccr<30mL/minでは使用を控える) |
薬剤名(商品名/略名/一般名) | ドウベイト(DTG/3TC) ドルテグラビル+ラミブジン |
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特記事項 | 国内では12歳以上かつ40kg以上で適応承認あり。 FDAは12歳以上かつ25kg以上の初回治療および、治療失敗歴やDTG、3TCに対する薬剤耐性変異を持たずウイルス学的抑制が安定して得られている場合の治療として承認したがDHHSは初回治療として推奨していない。 |
小児への投与量 | 12歳以上かつ40kg以上で、 DTG50mg/3TC300mgとして1日1錠。 |
薬剤名(商品名/略名/一般名) | トリーメク(TRI) ドルテグラビル +アバカビル +ラミブジン |
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特記事項 | 国内では小児に適応承認なし。 海外では、DTG5mg/ABC60mg/3TC30mgのTRIPDあり。日本未発売 |
小児への投与量 | 体重6kg以上25kg未満の児 DTG5mg/ABC60mg/3TC30mg(TRIPD)として1日1回 6kg以上から10kgまで 3錠 10kg以上から14kgまで 4錠 14kg以上から20kgまで 5錠 20kg以上から25kgまで 6錠 体重25kg以上の児から思春期、成人まで DTG50mg/ABC600mg/3TC300mg(TRI)として1日1回1錠 |
推奨されるキードラッグは、INSTI、NNRTI、PIがある。INSTIについては、第一世代のRALは、生後30日未満の乳児への使用がFDAに承認された唯一の薬剤であるが、RALよりも有効性が高く、耐性バリアが高い第2世代のINSTI(年齢と体重に応じてDTGまたはBIC)を用いたINSTIベースのレジメンが推奨される。現在進行中のDANCE試験では、12歳以上18歳未満で体重25kg以上の未治療の青少年を対象に、初回レジメンとしてDTG/3TCを評価しており、安全性と有効性は成人と同等であったと報告している33)。これらの知見に基づき、FDAは年齢12歳以上、体重25kg以上の青少年に対するDTG/3TCを初回治療として承認した。しかし、DHHSガイドラインでは、小児の初回レジメンとしては推奨しておらず、DTG/3TC内服時は厳格なモニタリングを推奨している。わが国では、12歳以上かつ40kg以上で保険適応がある。
第一選択として推奨されるNNRTIは、生後2週未満のNVPのみである。NVPは2週以上3歳未満では代替処方に位置付けられ(AI)、2ヵ月以上3歳未満でLPV/rtvと比較した場合の治療失敗率が高かったとする研究があり適応が限られる34)。
PIは、第一選択として推奨される薬剤はないが、代替薬として修正在胎期間42週以上かつ生後2週以上から2歳未満でLPV/rtvが推奨されている(AI)。しかし、わが国では、LPV/rtvの液剤が入手できなくなったため、臨床現場では使用困難である。
CCR5阻害剤であるMVCは、FDAでは満期産かつ2kg以上の治療経験のある児について適応承認されているが、US-DHHS2024では推奨されていない。
バックボーンとして推奨される2NRTIsは、AZTまたはABC+3TCまたはFTC、2歳以上かつ14kg以上でCcr推定値が30mL/min以上あれば、配合剤としてのTAF /FTC(デシコビ®HT)がINSTIあるいはNNRTIとの組み合わせで推奨される。外国人でABCの使用前にはHLA-B*5701対立遺伝子が陰性であることを確認する必要がある。また、わが国では、FTC単剤の入手が困難である点、体重14kg〜25kgで使用できる低容量のTAF/FTCが米国で承認されたが2025年3月現在日本で入手使用できない点に注意が必要である。体重35kg以上になればCcr推定値が30mL/min以上でTAF /FTC(デシコビ®LT)がPIとの組み合わせで推奨される(AI*)。
AZTの単剤投与は、HIV感染の有無が不明の生後6週未満の新生児感染予防に限るべきであり、ひとたび感染が確認された場合は、(表ⅩV-4-1〜5と表ⅩV-4-1脚注を参照し)直ちに多剤併用治療を開始すべきである(治療を遅らせる場合でも、AZT単剤投与は中止すべきである)。米国では治療開始前の小児が薬剤耐性ウイルスを持っている頻度が上昇してきており、その耐性パターンは母子感染予防のため母親に投与されていたレジメンから推定するのは困難とされる。現在では、初回治療を開始する前にgenotypeによる薬剤耐性検査を行うことが推奨されている。(ただし、薬剤耐性検査を行ってから治療するほうが、治療の成功率が高いという明確なデータはまだない)。